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LAB|研究活動

飛行服の調査研究をするにあたって、実際にどんなところに行ったかを紹介しておきます。
現物ばかりを何万着見ても、わからないことはわかりません。資料を見て初めてわかることがあるってことも、調査をしてみればきっと気づかれることでしょう。答えがあることを探すというよりも、答えがあるかないかもわからないことにチャレンジすることが楽しいのです!

私の場合、米国での調査活動は行き当たりバッタリでした。出会った人に聞いて次の行動を決めるというスタイルだったので、徒労に終わってしまったことも往々にしてありました。なので、これを読んでくれた方が同じ過ちを繰り返さないよう、収穫のなかったところも念のため紹介しておきます。なお、情報は2005年のものです。

リサーチは本当に楽しい!あなたも、コレクターよりもリサーチャーしませんか(^^;)?
「こんな情報があるよ」なんてネタがあったら教えてくださいね。

  • 国会図書館(日本)
  • 日本規格協会(日本)
  • 大阪府立特許情報センター(日本)
  • 米国立公文書館[NARA](米国)
  • スミソニアン航空宇宙博物館公文書館[NASM Archives](米国)
  • 米国海軍歴史センター(米国)
  • 米国海兵隊図書館(米国)
  • 米国海軍飛行博物館(米国)
  • 米国空軍博物館(米国)

  • ・国会図書館(日本)
     http://www.ndl.go.jp/ 
    お奨め度★★★☆☆
    こちらは説明不要の国立図書館です。古い飛行服の調査方面なら、断然、『関西館 (京都) 』です。WW2前後の米軍の貴重な資料がマイクロフィルムになって保管されており、意外な資料がみつかります。 また、資料が東京館の憲政室にあったころはなにかと大変でしたが、2002年に関西館に移設されたのと同時に設備もよくなり、調査するにはいい環境が整いました。ただ、1950年以降の資料はほとんどありません。マイクロフィルムのコピーはセルフでとれば18円/枚です。このセルフというのは、関西館だけのありがたいサービスです。古い洋雑誌なんかの現物は関西館でないと見られないので、当時の情報を調べるなら断然関西館です。入館は無料ですが、18歳未満の方は入れません (以前は21歳未満でした) 。

    関西館は近鉄かJRの駅 (祝園:「ほうその」と読みます) からバスで10分くらいです。歩けば45分くらい。漫画のような、無理やり作られた広々とした街道とあちらこちらにあるヤンキーの落書きとの調和を楽しんでください。京都なので、食堂は期待しないで下さい。


    ・日本規格協会(日本)
     http://www.jsa.or.jp/
    お奨め度★☆☆☆☆
    こちらは東京にある(財)日本規格協会の資料室です。1950年代以降の古いMILスペックの貴重なマイクロフィルム (マイクロフィシュ) の宝庫でしたが、1993年ごろに置き場がないとのことですべて廃棄されてしまいました。さすが財団法人です。「現在」のMILスペックなら館内にある専用のPCで見られます。一部古めの情報もありますが、ほとんど利用価値はありません。コピー代は150円/枚と高く、個人で利用するのは大変です。施設の利用だけなら無料。利用申請書に会社名を書かなくてはならなかったのが、最近は (2002年ごろから?) 、書かなくてもOKになっていました。

    アクセスは地下鉄の赤坂見附駅から歩いて5分くらいです。建物はやる気のない町役場のようで、調査のモチベーションを維持するのが大変なのでした。


    ・大阪府立特許情報センター(日本)
     http://www.o-pic.jp/ 
    お奨め度☆☆☆☆☆
    こちらは大阪にある公営の施設です。書庫への出入りが誰でも可能です。東京の特許庁ではありえません。しかも、米国関連の資料は東京の特許庁所蔵の資料よりも古いのでした。本当に自由に資料が閲覧できる貴重な場所です。手めくり調査の際には威力を発揮します。コピー代は1枚30円とまあまあ。施設の利用だけなら無料です。

    地下鉄谷町線「四天王寺前」(夕陽丘)駅から歩いて10分くらいです。来館者は例外なく仕事で来ているので、その真剣な手さばきと緊迫感は大いに刺激になります。今となってはインターネットでどこででも検索できるようになったので、心理的に遠い場所になりました。


    ・米国立公文書館[NARA](米国)
     U.S. National Archives and Records Administration
     http://www.archives.gov/
    お奨め度★★★★★
    ここは、米国政府が関わった資料が一堂に集められた場所で、誰でも閲覧可能です。そのスケールには開いた口がふさがりませんが、分類の基準がわかりにくいため、目的の資料を見つけるのは至難の業です。

    公文書館は実は2ヶ所にあって、目指すは「アーカイブ2」または「カレッジパーク」と呼ばれる超巨大施設です。カレッジパークと呼ばれるのは、メリーランド大学の敷地内(?)にあるためで、地名なのです。知らないと、ワケがわかりません。アクセス方法は、ワシントンDC 市内の「アーカイブ1」から出ている無料のシャトルバスがいいのでは。調査活動は、ここで行なうのが結局もっとも効率がよさそうです。ただし、個人で行くにはそれなりに気合が必要。フツウは、大学や図書館、お役所の海外視察団 (?) のメンバーとして出入りすることが多いようです。
    入館するにはDC市内のアーカイブ1で「リサーチャーカード」を作らなくてはなりません。入館はもちろん、退館もチェックゲートだらけで、初めての方は途中でヘコんでしまうかもしれないので、一連の流れをこちらに書いておきました。
    >> 米国立公文書館[NARA]に行く

    とにかく「リサーチ」をされるのであれば、いろいろな意味で一度は行ってみられることをお奨めします。


    ・スミソニアン航空宇宙博物館公文書館[NASM Archives](米国)
     NASM Archives
     http://www.nasm.si.edu/research/arch/ 
    お奨め度★★★★☆
    こちらはワシントンDCにあるスミソニアン航空宇宙博物館のアーカイブです。博物館の3階にある非公開の資料室といった方がしっくりくるかもしれません。非公開の場所ではありますが、電話で予約をすれば入れてもらえます。志ある者には開かれているってことでしょうか。予約時には、調査の内容、目的くらいは聞かれますが、間違っても「ちょっと見たいだけ」なんて言わないように。「あの本は読んだ?それでなにが足りないの?」みたいなことも私は聞かれました。念のため、その分野での著名な本くらいは目を通しておくといいかもしれません。

    飛行服の資料に関しては、オハイオのライトパターソン基地内の資料のコピーがほとんどのようです。超貴重な資料もポツリポツリはありますが、なんでも揃っているというようなことはありません。ここに来ればすべてがわかる、といったような幻想はいったん捨てましょう。資料のコピー代は15セント/枚と安く、自分で勝手にコピーして、後から口頭で枚数を伝えるだけ。かなり自由な空気が流れています。図書類はおおむね揃っているようでした。古い航空関連の雑誌も開架式の書庫で手にとって見られます。米国内で発行されたものはすべて揃っていそうです。

    写真は館内の専用PCで検索できますが、キーワードが難しいのです。写真検索は飛行服よりも人物にフォーカスされているため、貴重な飛行服を着ていてもなかなか探し出せないといったジレンマがあります。まあ、逆にそれがおもしろいのですが……。また、NASMのPCで見られる写真が、必ずしもすべて揃っているとは限らず、「貴重な写真がどっさり〜?」みたいに期待しすぎると、これまたズッコケます (実際はNARAにあったり) 。もちろん、オリジナルの写真はたくさんあります。見るときには白い手袋をはめなくてはなりません。なお、写真のカメラ撮影は許可されていません。写真の著作権には、そうとう気を使っているようです。写真の複製はサイズや使用目的によって異なりますが、25-50ドルと高めです。

    アクセスは簡単で、地下鉄の駅(L'enfant plaza)から歩いて5分くらいです。私が行ったときは、超安全な空気が漂っていたので安心して行き来できました。入館無料。博物館に入るときには簡単な荷物検査とボディチェックがあります。中のカウンターでアポがあることを伝えると、学芸員さんか、係りの方が迎えに来てくれます。身分証明書は忘れずに。当資料室には16:00までしかいられないので、その後で博物館内を見て回る時間も十分あります。


    ・米国海軍歴史センター(米国)
     the Naval Historical Center
     http://www.history.navy.mil/ (最近、つながりにくいようです)
    お奨め度★☆☆☆☆
    こちらは、ワシントンDC市内にある、ネイビーヤード敷地内の図書館・資料室です。入館無料。911以降、敷地内には電話で予約してからでないと入れなくなったそうです。ビジターの入り口にあたるビジターセンターの位置は、タクシーの運転手に聞いてもわからないくらいマイナーでした。以前はどの入り口からでも誰でも自由に入れたそうです。パスポートチェックはもちろん、宿泊先なども記入しなくてはならず、ちょっと面倒です。渡される大きめの名札シールを胸に貼って歩かなくてはなりませんが、一度入ってしまえば自由に敷地内を見て回ることができ、出る際にもなんのチェックもありませんでした。道を間違えたからといって、呼び止められたりはしません(^^;)

    ここの図書館は、館内の専用PCで検索した後、書籍は自分で書庫に入って探してくるというスタイルです。カメラの使用も「ご自由に」とのことでした。飛行服に関する情報は特になく、上述のNARAか後述のペンサコーラのNaval Aviation Museumの資料室に行くことを薦められました。写真のストックはかなり充実していそうでしたが、よくわかりません。

    行き方は、地下鉄の「NAVY YARD」駅から歩いていくこともできますが、なんとなく怪しげな匂いが漂っています。ここへの地下鉄は他のラインとは異なり、雰囲気がガラッと変わります。不慣れな人は、DC中心街からタクシーで行った方が無難かもしれません。


    ・米国海兵隊図書館(米国)
     UNITED STATES MARINE CORPS HISTORY AND MUSEUMS DIVISION
     http://hqinet001.hqmc.usmc.mil/HD/ (最近、つながりにくいようです)
    お奨め度☆☆☆☆☆
    こちらは、上の米国海軍歴史センターと同じく、ワシントンDCのネイビーヤード敷地内にあるUSMC博物館の図書館・資料室です。電話予約が必要なのも上述のとおりです。入館無料。

    USMCの制服に関するレギュレーションのような資料は充実していますが、飛行服に関しての情報は特にありませんでした。


    ・米国海軍飛行博物館(米国)
     Naval Aviation Museum
     http://www.naval-air.org/ (最近、つながりにくいようです)
    お奨め度★★★☆☆
    こちらはフロリダ州ペンサコーラにある博物館の中の図書館・資料室です。入館無料。博物館内には、名前のとおり博物館クラスの飛行服が展示されていて、わたしは感動のあまり泣き崩れそうになりました。展示してある飛行機もベタベタ触り放題という、なんとも解放的な博物館でした。実機のコックピットを切り取った展示も豊富で、自由に乗り込むことができます。飛行服とコックピットの関連を調べたいという方には貴重な場所だと思います。こちらも、NAVYの敷地内の一施設なので、ゲートで身分証明書の簡単なチェックがあります。あまりの広さにあきれてしまいます。広大なゴルフ場に建物が散在しているといった感じです。

    博物館内には、図書館と資料室が平日だけオープンしていて、うまく交渉すれば、奥の資料庫 (非公開エリアだけど…(^^;)で自由に調査活動ができます。資料庫にある専用のPCでは、博物館所蔵のアイテムの写真やラベルなども閲覧できます。見たこともないような飛行服のストックも見ることができて、非常に勉強になります。現物も交渉すれば見せてもらえるのかもしれません。写真類はキャビネットにそれなりに整理されていますが、こちらが何を調べたいかをHistorianや学芸員さんにきっちり伝えられないと、彼らのほうも対応できないようです。ストックされた資料や写真は、故人の家族から寄付されたものがほとんどとのことです。未整理の資料もごっそりでしたが、自分の手で調査するにはすばらしい環境だと思います。

    行き方はレンタカーでないと無理そうです。市内からなら20分くらい、空港からなら30分くらいでしょうか。タクシーでも行けそうですが、帰りはどうしたらいいのか、よくわかりません。DCよりも治安はよさそうですし、時間があれば、ぜひ海岸でリゾートしてください(^^;)


    ・米国空軍博物館(米国)
     U.S. Air Force Museum
     http://www.wpafb.af.mil/museum/ ( 最近、つながりにくいようです)
    お奨め度☆☆☆☆☆
    こちらはオハイオ州デートンのUSAFベース内にある博物館です。入場時の身分証明書のチェック等はありません。ハッキリいって、ここは調査活動がまったくできないのでお奨めしません。行くだけ無駄でした。館内の飛行服も、どこまで冗談なのかわからないような展示になっています。飛行服専門のCuratorやHistorianがいなかったのかもしれません。ただし、1930年ごろのB-7スーツだけは貴重なコレクションなので、唯一見れるとしたらコレでしょうか……(^^;)。通常は上下を切り離す改造がされているので、つなぎのままというのはまさに博物館モノです。「B-7」の名前はどこにもありませんでしたが。

    ベース内には図書館や資料室の類が20以上あるらしいのですが、基地内の誰かの紹介がないと入れないため、調査活動は一切できません。もし知り合いがいたとしても、パスが出るまでにかなり日数がかかるようです。入り口のボランティアの方々もいろいろ尽くしてくれましたが、規則なのでどうしようもないとのことでした。飛行服に関する貴重な資料の宝庫だとは思いますが、それらがDCのNARAに移設されるまでじっと待つしかないのでしょうか。飛行機はいっぱいありましたが、しつこいくらい「触っちゃなんねぇ」の表示がされています (日本の博物館みたい?) 。飛行機に興味のない人にはイタい場所です。そんな人は行かないのでしょうね(^^;)。最近はウェブサイトにもアクセスできなくなってしまい、困ったもんです。

    アクセスは、デートン市内から意外に遠く、バスを乗り継いでも行けるそうですが、私はレンタカーを利用しました。デートン市内には安ホテルがなく、ちょっと目が点になりました。街はきれいなのですが、夜7時以降はほとんど誰も歩いておらず、なんかヤバげなにおいも…。

    (C)Aota Mituhiro